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2024.06.09

療育について



ご覧になっていただき誠にありがとうございます。

今回は私のイメージする療育について発信したいと思います。

療育の「療」は医療や治療と同義で、

癒すというような意味があります。

「育」は育てる、ではなくて、

私のイメージでは「育む(はぐくむ)」です。

育むとは、

①親鳥がひなを羽で包んで育てる

②養い育てる

③大事に守って発展させる

という意味だそうです。

育み、と聞くと私は昔から植物をイメージします。

言語聴覚士になる前は、

大学院で植物の研究をしていたせいかと思います。

植物は、品種も大事ですが何より環境が大切です。

環境とは気温、雨量、日照などです。

品種改良と同じぐらい環境調整について人類は試行錯誤してきました。

もともとの特性と言えば分かりやすいのが、

短日植物と長日植物です。

短日は暗期が長いと花芽形成して、

長日は暗期が短いと花芽形成します。

これは生まれもった性質で、頑張っても花は咲きません。



脱線しますが、

私は大人数が苦手で、一人が好きです。

大人数いると相手の思考や、

自分がどう思われているのか、

など些細なことが気になって落ち着きません。

これは私の性質なので治りません。

例えば都心の満員電車や東京ディズニーランドに入ると、

ストレスからお腹が痛くなり、

周囲に攻撃的になってしまいます。

満員電車も乗れないし、

ディズニーランドも楽しめない。

周りは「慣れれば大丈夫」と無責任に言いますが、

慣れません。

結局は性質を受け入れて、

どう環境をコントロールするかが大切です。

満員を避けて一本早い電車に乗る、

ディズニーランドが混まない平日に有休をとる
(平日に休めませんが。。。)、

など工夫をして生きています。


療育とは、自らがそのような工夫を

出来るようにするものであると考えています。

よく暴露療法と勘違いして、

嫌な刺激に暴露すれば克服できると考える方もいますが、

誤った考えです。

暴露療法は歪んだ認知を矯正するためのものであり、

特性は変わりません。

むしろ増悪させてしまう可能性があります。




大切なのは特性を理解した上で、

幼いうちは「環境を調整してあげる」こと。

そして大きくなったら、

「環境を調整できるようにする」こと。

だと思います。



植物にっとっての環境は、

気温、降雨、日照、そして土壌の栄養など。

小さい頃、良かれと思って植物に水をドバドバあげました。

するとなぜか元気がなくなるんです。

小さい私は理解できませんでした。

不足しても過剰でもいけない。

適した量、頻度で、

環境を整えるのが大切なんですね。



ただ、お子様にいくらでもあげていいものがあります。

それは愛情です。

療育はいろいろ考えがありますが、

結局は養育者の愛情が一番大切だと思います。


療育に携わっていると、

「自宅でも出来ることありますか?」

とよく聞かれます。

オーソドックスなことは説明しますが、

私は必ず言うことがあります。



療育は、

これまでの経験でこうしたほうがいいかな、

というものの積み重ねを、

体系化しているものであって、

完璧なものではありません。

私たちはそれを日々実践して、

よりよい療育の実現を目指しています。


だけど、

ご家族は難しいことはあまり考えず、

今まで通り、愛情をもって接してもらうのが、

どんな療育よりも効果があるのは間違いありません。



最後までご覧になっていただきありがとうございました。


代表
カテゴリ:つぶやき

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